英国イギリスの名物といえば、紅茶やスコーン、フィッシュアンドチップスにフルブレックファストなど、様々なものがありますが、もっとも日本人に馴染み深いものはやはりジャム、そしてマーマレードではないでしょうか。
映画「パディントン」でも登場する黄金色のオレンジジャム、マーマレード。朝食のトーストにたっぷり塗れば幸せな一日が始まります。
焼き立てのスコーンなら、イギリスならではのイチゴのジャムにクロテッドクリームを付ければテーブルはあっという間に英国風に。
イギリス人とジャムは本当に深い関係にあって、日々の生活に欠かせない大切な存在です。
スーパーマーケットでも日本の何倍もの種類が販売されているのはもちろんのこと、ロンドン各地で開催されているマーケットでもオリジナルのジャムやマーマレードがよく販売されています。
このブログ記事では、そんなイギリス産の代表的なジャムやマーマレードについてご紹介したいと思います。
目次
チップトリー(英国王室御用達のジャム)
イギリスジャムといえば「チップトリー(Tiptree)」といっても過言ではありません。
ウィルキンアンドソンズが発売するこちらのジャム。1757年からロンドンの北東にあるエセックス州チップトリー村で伝統あるレシピにより作られています。
素晴らしい品質で有名なチップトリー(Tiptree)のジャムは、70か国以上のクルーズ船、5つ星ホテルや航空会社で利用されているだけにとどまらず、何よりもあの英国王室御用達マークが記載されており、その品質はまさに英国お墨付きです。
絶対に食べたいリトルスカーレット(小さな野イチゴ)のジャム
もっとも有名なのはリトルスカーレットと呼ばれる直径2cmにも満たない小さな野イチゴを使ったジャムです。1900年からウィルキンアンドソンズ社だけが商業栽培を続けており、このリトルスカーレットストロベリーを使ったジャムはチップトリーだけでしか味わえないそう。
真っ赤なカラーが珍しいこのジャムの味わいは酸味がやや強めで甘さ控えめかつ香り豊かなイチゴジャム。
一度食べたら忘れられない本当においしいジャムのひとつです。
お酒を使ったジャムも美味しい!
チップトリーはお酒を使ったジャムも得意としています。とくにオススメなのが下記2つ。
他にもTIPTREE(チップトリー)は色々なジャムをつくっているので自分にお好みなジャムを見つけるのも楽しいと思いますよ!
フランククーパー(英国王室御用達マーマレード)
映画「パディントン」でその美味しさなビジュアルを思い出した方も多いでしょう。
エリザベス女王のお気に入りとしても有名なフランククーパーのマーマレードは、個人的に「マーマレードを食べたいと思った大人にこそ食べてほしい味」です。
分厚いオレンジがたっぷりのフランククーパー
国内産のマーマレードでは考えられないほどの厚切りオレンジがたっぷり入ったマーマレードは、これまでのオレンジジャムの思い出をひっくり返すこと間違いなし。
オックスフォードマーマレードがオレンジ厚切りでまろやかな甘さ。
ビンテージマーマレードがオレンジ超厚切りで苦みも感じる甘さです。
マーマレードは食パンで。
マーマレードを食べる際にイギリス人は食パンを好む人も多いのだとか。
全粒粉のパンだと柑橘特有の繊細な風味がかき消されてしまうのからかもしれませんね。
ぜひ美味しいマーマレードに出会ったときは軽くトーストした白い食パンでも召し上がってみてください。
そのマーマレードが持つ味わいを120%味わえることができるはず。
マッカイ(スコットランドジャム)
1938年にスコットランドで生まれたマッカイ(MACKAYS)も英国の有名ジャムメーカーのひとつです。
英国内のほとんどスーパーマーケットで取り扱われており、イギリスの国民的ジャムと言っても過言ではありません。
伝統的な製法でジャムを作り続ける
マッカイの特徴は今でも昔ながらの製法でジャムをつくっていること。
伝統的な蒸気加熱の銅鍋を使い、フルーツと砂糖をゆっくりと過熱しながら作られるため、素材の味を余すことなく引き出すことができるそう。また、ホームメイドの味を完璧に再現するために製造から出荷までのタイミングについて細心の注意を払っているんだとか。
輸出にも積極的に世界80か国で愛される英国ジャムとしての顔もあり、その功績は英国王室にも評価されており、2004年・2012年に女王賞を受賞しています。
産地にこだわったジャムたち
MACKAYS(マッカイ)のジャムに使用されるフルーツは本当に産地にこだわっています。
ベリー系であれば原則的にスコットランド。マーマレードであれば伝統的なセビリアオレンジ。
とくにベリー系はストロベリーにとどまらず、ラズベリーやカシス(ブラックカラント)など、すべてをスコットランド東部の温暖な気候で育ったものをたっぷり使っています。
ルバーブを使ったジャム
日本人にあまり馴染みがないフレイバーとなるルバーブ。
18世紀ころから英国で栽培されるようになり、今ではジャムにとどまらずお菓子作りにも欠かせない素材のひとつとなっています。
繊維質が豊富かつ、ビタミンCにカルシウムやカリウムも豊富に含まれていることから、健康好きな人なら一度は聞いたことがあるかもしれません。
その味わいは大変に独特で、独特の風味と酸味があるとしか文章上では表現できないのが悔しいところ。
英国ジャムにハマった方はぜひ試してみてください。
レモンカード(レモンとクリーム)
純粋なジャムではありませんがレモンをベースにバターや卵、砂糖を加えてつくったジャムとクリームの中間のような存在がレモンカードです。
その味わいはご想像の通り。そのままだと食べづらいレモンの酸味が優しい口当たりに仕上がっています。
レモンカードはパンやスコーンなど3時のおやつとして紅茶といただくと本当に幸せな気持ちになれますし、そのまま食べても良し、パイやタルトのソースとしても活躍する万能選手です。
カードは保存食の意味
ちなみに「カード」の綴りはCURDとなり、英語圏では保存的な意味合いとなります。
イギリスでは大定番の家庭の味なので、子供の頃の思い出の味、日本でいうアンコのような位置付け。
すでにご紹介したチップトリー(TIPTREE)、マッカイ(MACKAYS)かも販売されているので手軽に本場の味を楽しむことができますよ。
英国産ジャムのまとめ
ということでこのブログ記事では英国が世界に誇るジャム、マーマレード、レモンカードをご紹介しました。
イギリスでつくられる風味たっぷりのジャムたちは間違いなく日々の生活のQOLをひとつ上のランクにあげてくれるはず。
いつも頑張っているあなたこそ、毎日にちょっとした贅沢を加えてみてはいかがでしょうか?
- 英国ジャムの代表選手 チップトリー(TIPTREE)
- 女王陛下お気に入りのマーマレード、フランククーパー(FRANK COOPER)
- イギリス国民と世界に愛されるマッカイ(MACKAYS)
- 中級者向けのルバーブ
- 仮定の味を思い出すレモンカード